スタッドレスタイヤの性能とネットショップで安く買う方法
車を買い替えると、当然今まで使っていたものも使えなくなって新たに買い直さなければならないものがいくつか出てくる。その代表的な物がスタッドレスタイヤ!
スタッドレスタイヤもネットで買った方が安いことは知っていたが、ただ何となく不安で店舗で購入していたけど、新車購入の予算をオーバーしてしまったこともあってネットでスタッドレスタイヤを注文!
届いたスタッドレスタイヤを見て・・・・・一安心。
ブリジストンのブリザックVRX 215-60-R16がホイールセットで101,000円、ネットでスタッドレスタイヤを買うのもズバリ「あり」です。
1 スタッドレスタイヤとオールシーズンタイヤの違い
そもそもスタッドレスタイヤとは、
積雪路や凍結路などを走行するために開発されたスノータイヤの一種で、積雪路や凍結路の摩擦係数が低い(滑りやすい)路面でも駆動力や制動力を路面に伝えることができるように開発されたタイヤのこと。
だから積雪路や凍結路の摩擦係数が低い(滑りやすい)路面を走行することがなければスタッドレスタイヤは不要となる訳だが、年に数回積雪がある地域は、積雪時は運転しない、若しくはタイヤチェーンを巻くなどの不便さを考えるとスタッドレスタイヤにした方がいい。
気を付けなければいけないのが、橋の上や高架道路。特に雨上がりの明け方などは走行台数も少なく凍結しやすい。僕の住む地域でも年に数回橋の欄干に激突している車を目撃する。
もちろん、スタッドレスタイヤを履いていても路面によっては滑ることがあるので、特に滑りやすい橋の上や高架道路はスピードを控えめにする必要があるが、夏用タイヤよりかは慎重にならなくてもいいから運転が楽。
しかし、積雪道路の走行用に開発されたタイヤなので、乾いた路面や濡れた路面の性能は夏用タイヤに劣る。音もうるさいし乗り心地も悪くなるデメリットもある。
これに対してオールシーズンタイヤは、
もともとトラックやバスのタイヤによく見かけたが、最近、乗用車用のオールシーズンタイヤも見かけるようになった夏用タイヤの性能と冬用タイヤの性能を併せ持つタイヤのこと。
おっ、年に数回降るか降らないかという地域の車にピッタリのタイヤという気がするがそうでもない。オールシーズンタイヤは積雪路面はある程度走行できるが、夏用タイヤの素材に近いため氷盤路面の性能は高くない。雪が積もった翌朝、踏み固められてツルツルに滑る状態に出くわすことがあるが、オールシーズンタイヤではスタッドレスタイヤのような性能は期待しない方がいい。各メーカーも本格的な降雪地帯での走行は推奨していないが、冬用タイヤの適合マークであるスノーフレークマーク付きのオールシーズンタイヤなら冬用タイヤ規制の道路も走行できるので、スタッドレスタイヤのように履き替える必要がなくタイヤの保管場所も不要になるのでそれなりのメリットはある。
ただし、夏用タイヤの性能と比較すると乾燥路やウェット路面の性能は劣る面があることもお忘れなく。
スノーフレークマーク
冬用タイヤ規制時に走行可能な冬用タイヤとして認められた証
M+Sマーク
Mud(泥濘路)+Snow(積雪路)を表すマーク
タイヤチェーンは必要か?
2018年は日本海側だけでなく太平洋側でも大雪になる日があった。高速道路や国道でも立ち往生する車が続出して丸1日以上に渡り車内に缶詰めになったところもあった。
立ち往生する車のほとんどが夏用タイヤを装着していた車両だったり、勾配の急な道路ではスタッドレスタイヤを履いていても登れなかった車両があったことから、全国200か所程度の路線で「全車チェーン規制」の指定を行うことが決まった。(全車チェーン規制区間:国交省HP)
2018年12月に13路線指定された後、他の路線が新たに指定されたとの情報はないので200路線の指定は立ち消えになったのかもしれない。
全車チェーン規制のポイント
・特別警報が出るような異例の降雪時には、指定区間で早期の通行止めを行い集中除雪により交通の確保を行う。
・大雪が予想される2~3日前から通行止めの可能性について事前広報を実施し、広域迂回路や通行計画の見直しなどを案内する。
・指定路線では従来ならば通行止めとなる状況においても、チェーン装着車のみ通行可能とする。
大風呂敷広げた割りには尻つぼみした感がある全車チェーン規制だが、通行止めの区間をチェーン装着すれば通行できるのだから、非難するような規制でもないと思う。
タイヤチェーンには金属製、ゴム製、布製があり、価格は2,000円~2万円ぐらいが主流だが、耐久性があり安くて積載スペースを取らないのは金属製。Amazonや楽天市場の書き込みを見てたら、走行中にタイヤハウスやボディーにチェーンが当たるとかチェーンが緩むとか書いてあったが、僕の認識では、チェーンを取り付けて少し走行したら締め直したり、チェーンの余長を細いワイヤーで固定したりすることが普通かなと思う。
実際にタイヤチェーンを必要とする時は、積雪があり凍てつく寒さの中作業することになるので、作業手順を覚えていないと時間ばかりかかり、なかなかタイヤチェーンを取り付けることができない。また、取り付け方が悪いと走行中にチェーンが外れて車軸に巻き付いたら最悪。ジャッキアップは必須で、場合によってはチェーンを切断しなければ外せないことも。お守り代わりにタイヤチェーンを車に積んでおく場合でも、数回練習しておくことをお忘れなく。
スタッドレスタイヤは必要か?
住んでいる地域や車の使い方しだいだが、温暖化で降雪は減っていると言っても雪は降るし、路面は凍る。近所のスーパーに買い物に行く程度の使い方ならスタッドレスタイヤは不要かもしれないが、天候や時間帯を選ばずに日常的に車に乗ったり、降雪地域に出かける機会がある場合はスタッドレスタイヤを履いていた方が安心して走行できる。
タイヤサイズにもよるが、5万~10万円程度の投資で安全を買うと考えると決して高いものではない。
2 タイヤメーカーによって異なるスタッドレスタイヤの性能
スタッドレスタイヤに求める性能
・氷上性能
降り積もった雪が日中に解けて、気温が下がる夜間に再び凍る。いわゆる「アイスバーン」と呼ばれる路面での性能。
・雪上性能
雪上路面と言っても、降り積もった新雪状態、踏み固められた圧雪状態、半分とけたシャーベット状態の雪質がある。スタッドレスタイヤの場合、新雪状態とシャーベット状態の路面も案外滑りやすい。
・耐摩耗性能
ゴム製品は温度が下がると硬くなる性質がある。スタッドレスタイヤは、路面温度が低くてもゴムが硬くならず性能を発揮するが、アスファルトの乾燥路面ではゴムが柔らかい分、摩耗が早い傾向がある。
・ドライ性能&ウェット性能
アスファルトの走行性能のことで、スタッドレスタイヤは乾いた路面と雨で濡れた路面は夏用タイヤと比べてグリップ力が落ちる傾向にある。
・燃費性能
スタッドレスタイヤは柔らかくしっかりグリップするため、転がり抵抗が高く夏用タイヤに比べて燃費が悪くなる傾向がある。
タイヤメーカーによるスタッドレスタイヤの特色
これらの要求性能に対して、タイヤメーカーによりスタッドレスタイヤの設計コンセプトが異なる。ざっくり言うとこんな感じ。
・ブリザック BLIZZAK(ブリジストン)
氷上性能が抜群に高い。路面が常に圧雪や凍結している厳寒地では圧倒的に装着率が高い。反面、アスファルトなどの乾燥路では摩耗が早い傾向にある。
・アイスガード iceGUARD(横浜ゴム)
新しいアイスガード6のキャッチフレーズは、「氷に効く」「ウェットに効く」「永く効く」「燃費に効く」「音に効く」。トータルバランスの取れたスタッドレスタイヤを目指しているようだ。
・ウィンターマックス WINTERS MAXX(ダンロップ)
ゴムの素材とトレッドパターンでスタッドレスタイヤの性能を確保しつつ耐摩耗性を高めている。
・ウィンタートランパス Winter TRANPATH(トーヨータイヤ)
夏用タイヤでは一般的になっているミニバン専用タイヤをスタッドレスタイヤでも発売している。
・エックスアイス X-ICE(ミシュラン)
20年前のミシュランは硬くて日本の路面には合わず止まらないスタッドレスだった(僕の実感)が、今は日本国内で研究・開発・テストをしており性能は上がっていると思う。乾燥路面・高速走行の性能を重視している感が強い。
・アイスナビ ICE NAVI(グッドイヤー)
左右対称のトレッドパターンを採用して、タイヤローテンションでタイヤ寿命を延ばすコンセプトが窺える。
・ハンコック、クムホ(韓国製)
実店舗でも通販サイトでも安くてお買い得商品として陳列されている。国家と企業は別組織とは言え、国家を形成するのは企業や国民である。カタログスペックを信頼して安さを優先するのかは価値観しだいだが、正真正銘の自己責任で。
僕はスキーをするので山間部を走る機会が多い。スキー場までの道は、雪が降るとすぐに除雪が入るので走りやすい反面、日中の気温の上昇で雪が解けて夕方の冷え込みで凍るアイスバーンの路面が多いことから価格は高いが氷上性能を優先して長年ブリザックを選んでいる。
スタッドレスタイヤを履くか履かないかは、走行地域と使い方しだいだが、高級車から軽自動車まで道路に接するのはタイヤの接地面であることに変わりはない。スタッドレスタイヤは安い買い物ではないが、スリップして事故を起こすことを考えると決して高い買い物ではないと思う。
3 ネットでスタッドレスタイヤを買うメリットとデメリット
スタッドレスタイヤは安全のため高い投資ではないが、最低でも5万~10万円程度はするので安いに越したことはない。
一般的に実店舗で購入するよりネット上で購入した方が安く買えるのはAmazonや楽天市場でも見かける光景。ご多分に漏れずタイヤも実店舗よりネットで買った方が安い。
安いのは知っていたが、今まで購入したことがなかった。
理由は・・・
・タイヤのみの場合、組み換え作業をしてくれる店を探す必要がある
・ホイールが車に似合うか確かめれない
・ホイールに傷が付いていたり、古いタイヤが付いて来ないか心配
・変な商品だった場合、泣き寝入りできる金額ではない(連絡して交渉するのが手間)
と、言った漠然とした不安(笑)。
しかし、車の買い替えにあたり予算をオーバーしてしまった(17年ぶりに買い替えた車をマツダのCX-3にした理由)ので出来るだけ費用を抑えたかったこともありスタッドレスタイヤをネットで購入することにした。
そこで実店舗があるタイヤ屋さんの通販部門なら漠然とした不安も少なく買えるのではとグーグル先生に「スタッドレスタイヤ 通販」で聞いてみた。
・フジ・コーポレーション(近藤真彦がCMしてる)
・カーポートマルゼン(テレビCMを見たことがある)
・TIREHOOD(三菱商事系列のネット通販専門店)
・タイヤワールド館
今回、車を買い替えたことにより新しくスタッドレスタイヤを購入すのでホイールとスタッドレスタイヤのセット物。選べるホイールの種類は限られるが費用は抑えられる。ショップによって取り扱っているホイールが異なることが多いから各ショップのサイトを巡回して自分の嗜好に合うホイールを探すのも楽しい。
フジ・コーポレーションとタイヤワールド館にはホイールを自分の車種で外観を確認できるフィッティングルームがあるので、ホイールを取り付けた時のイメージを確認しやすい。
僕は氷上性能を優先してブリザックを選んでいる。最新のVRX2は高いので型落ちのVRXを指定して4つのサイトで比較したところ、送料が無料のタイヤワールド館が総額で一番安かったのでタイヤワールド館で購入した。
発注してから4日で無事到着。特に段ボールに入っている訳ではないが、ホイールの部分を段ボールで保護してタイヤ1本1本ビニールに梱包されているので傷などは付いていなかった。
ショップの商品説明に製造年の指定がなかったので去年製造されたタイヤが付いてないかちょっと不安な面もあったが今年製造されたタイヤだった。
僕は、予約をする煩わしさがないし、タイヤを車に積み込んでお店まで行く手間や交換作業料を考えるとタイヤ交換を自分ですることにしている。車両に積載されているダルマジャッキはジャッキアップに時間がかかるのでフロアージャッキを使用するとタイヤ4本替えても30分ほどで交換できる。2tのフロアージャッキなら4,000円程度で購入できる。
今回、初めてネットでスタッドレスタイヤを購入したが、まとめると
・各ショップ、車種からタイヤやホイールを選べるのでタイヤサイズなど分からなくても困ることはない。
・ホイールが自分の車に似合うか確かめることができるショップサイトもある。
・ショップサイトによって取り扱っているタイヤメーカーやホイールメーカーが違う。当然、値段も違う。
・ショップサイトによって工賃や送料にかなりの差がある。
グーグル検索の上位に上がってくる実店舗のあるショップサイトは、車種に適合するタイヤサイズやホイールサイズを表示してくれるが、Amazonや楽天市場で購入する場合は、自分で確認する必要があるかもしれない。ホイールやタイヤの場合、サイズ間違いなど客都合の返品は受け付けないショップが多いのでよく確認してから購入する必要がある。
注意する点は、商品の価格だけでなく工賃や送料まで含んだ総額で判断すること。一般的にガソリンスタンドや整備工場に商品持ち込みで作業を依頼すると作業料が割高になる場合が多い。近所にショップサイトの提携店がない場合は、事前に持ち込み作業をしてくる場所を探して工賃を確認しておいた方がいい。
タイヤの組み込みやバランスなどの工賃を含めた総額で比較すると、タイヤサイズが大きくなればなるほどネット通販の方がオートバックスやタイヤ館など実店舗で購入するより安く買える。
今回、初めてネット通販でスタッドレスタイヤを購入してみたが、フィッティングルームの使い易さ、見積り作成の手軽さ、総額費用の安さ考えると、スタッドレスタイヤだけでなく夏用タイヤもネットショップで購入する選択肢は十分「あり」だ!
スタッドレスタイヤやラジアルタイヤの購入を検討している方は、一度ネットショップを巡回して工賃、送料込みの価格を比較してみることをお勧めする。