群発頭痛、緊張型頭痛、片頭痛の特効薬イミグランが月20回分に処方制限された時の対処方法
一次性頭痛である群発頭痛、緊張型頭痛、片頭痛の処方薬であるイミグランが、元号が令和に変わった夏頃から月に20錠に制限されるようになった。一次性頭痛の中で最も激しい頭痛である慢性群発頭痛に二十数年苦しんでいる僕にとっては薬の数が全然足りず正に死活問題。
ある日突然、悶える程激しい頭痛が毎日繰り返し襲ってくる群発頭痛。その特徴や対処方法、特効薬であるイミグランを処方制限されるようになった背景と救済策を紹介します。
不幸にも群発頭痛を発症してしまった方や御子弟が激しい頭痛に見舞われている方は参考にしてください。
1 群発頭痛の症状
群発頭痛の症状を説明する前に、僕の症状をお話しする。
僕が群発頭痛を発症したのは、今から二十数年前の19歳の時、自宅で就寝中で明け方に突然起こった。頭痛が起こる前兆的な症状など全くなく、本当にある日突然発症した。
頭が痛くて目が覚めると、起き上がるどころか声を出して隣室で寝ている両親を呼ぶこともできないほど激しい頭痛で、両手で頭を抱えてだんご虫のように丸まることしかできなかった。その痛み方は形容しずらいが、あえて言うなら「万力で頭部を強く挟まれながら、剣山で脳みそを刺しまくっている」ような痛みに加えて眼球の裏側を錐(キリ)でえぐられているような痛みである。
兎に角、突然過ぎて痛みと驚きと戸惑いの中で「このまま死ぬかもしれん」と思いながら、声も出せずだんご虫のように丸まっていたが、痛みで気を失ったのか、痛みがなくなって知らぬ間に寝たのか分からないが気が付くと朝になっていた。
起きると死ぬほど痛かった頭痛や眼球の痛みの余韻など全くなかった。一瞬、あの激しい頭痛は夢だったのではないかと思ったほど、いつも通りの朝だった。
これが群発頭痛の典型的な症状である。
国際頭痛学会の群発頭痛の診断基準によると
・重度又は極めて重度の頭痛が、片側の眼窩部、眼窩上部又は側頭部のいずれか1つ以上の部位に15分~180分間持続する。
・頭痛と同側に結膜充血、流涙、鼻閉、鼻漏、眼瞼浮腫、前額部及び顔面の発汗、縮瞳、眼瞼下垂などが起こる。
・他の疾患に起因しない。
・発症年齢は20歳~40歳の発症が多い。
・男女比は男性の方が多い(従来は男性の方が圧倒的に多いとされていたが、近年男女比の差は縮小傾向にある。生活習慣、特に喫煙との関連性が高いと推測されているようだ。)
・発症時間帯は明け方が多い。
・発作の頻度は、1回/2日~8回/日。
・発作が起こる期間は、2週間~3ヶ月程度(この期間を「群発期」といい、群発期を外れると「寛解期(かんかいき)」となり完治した訳ではないが症状は現れない。
・群発期が起こる期間は、1回/数年~数回/年(特に7日以上続く群発期が1ヶ月以上の寛解期を挟んで2回以上起こる群発頭痛を「反復性群発頭痛」といい、寛解期がない若しくは寛解期が1か月未満で群発期が続くと「慢性群発頭痛」と診断される。)
群発頭痛を引き起こす原因として
・視床下部に起源を求める説
・三叉神経と血管に起源を求める説
・内頸動脈の周囲に起源を求める説
・副交感神経の活性化に起源を求める説
などが上げられているが原因はまだ解明されていない。
発症して群発期が4カ月ほど続き、約1年の寛解期を挟んで2回目の群発期が起こったのだが、次第に寛解期の期間が短くなり二十代半ばには通年群発期の慢性群発頭痛に症状が悪化していった。
その経験則から群発期中の特徴として
・アルコールの摂取、ろうそくの炎の揺らぎや蛍光灯のチラつき、入浴やサウナなど体を温める行為は頭痛を誘発する。
・頭痛と同側に起こる眼の痛みや首・肩の痛みの症状は、前兆現象として頭痛より先に現れる。
・前兆現象が現れてから頭痛を感じるようになるまでの時間が短いほど頭痛が激しい。
といったものがある。
2 群発頭痛という診断名が付くまで16年かかった
発症して激しい頭痛が3日連続したので、さすがに近所の脳神経外科を受診した。僕の症状は、国際頭痛学会の群発頭痛の診断基準に当てはまるのだが、当時この判断基準はまだ確立されておらず、原因不明の頭痛として一括りに「片頭痛」という病名が付けられた。
明け方の激しい頭痛が1週間続いたため、町医者ではなく大学病院の脳神経外科を受診することにした。近所の町医者の診断を疑った訳ではないが、大学病院で精密検査を受ければ原因が特定できるかもとの期待からだった。
CT検査の結果も異常なし。後日、MRIによる精密検査を受けるもやっぱり脳に異常を認める所見はなし。もともとアレルギー性鼻炎から軽い慢性蓄膿症だったので並行して耳鼻咽喉科で治療、4本ある親知らずのうち2本が横向き、1本が逆さに埋まっていたので口腔外科で親知らず3本抜いた。また、眼科で目の精密検査も受けた。
これらの治療を受けても症状が改善するどころか、明け方だけでなく日中にも激しい頭痛が起こるようになってきたので、脳神経外科で肩に神経ブロック注射をすることになった。
神経ブロック注射を4週間続けたところで担当医が「これだけ治療をしても改善しないのは頭痛の原因が精神的な問題による可能性が高い。精神科にカルテを回すので精神科で受診しなさい。」と言ったのでアホらしくなって大学病院へ行くことをやめた。
特に悩みなど抱えていなかったので精神的な理由ではないことは断言できたから、これ以上受診しても無駄だと悟った。大学病院で3ヶ月間の時間と十数万円の治療費をかけて、近所の脳神経外科で言われた「片頭痛の原因は分かっておらず治療薬もない。」ことを確かめただけだった。
結局、町医者だろうが大学病院の医者だろうが、分からないものは分からないと言ったところだったのだろう。ただ患者の立場から言えば、分からないから精神病と診断した大学病院の医者より、潔く原因は分からないと診断した町医者の方が誠実な気がする。
これ以降、激しい片頭痛の特効薬に関する記事を雑誌で目にするまで頭痛で医療機関を受診したことはなく、「群発頭痛」という診断名が付き症状を改善する薬が処方されるようになるまで16年経っていた。
念のため申し上げるが、大学病院での話は二十数年前の話であり、今はもっと画一的に診断されるようになっているし、少なくとも無駄に親知らずを抜かれることはない(笑)。病院によっては「頭痛外来」という診療科があったり、脳神経外科には群発頭痛などの一次性頭痛に関するパンフレットなども置いてあるほど医療機関の頭痛に対する体制は変わっている。
ただ、専門外の医師や不勉強な医師は、医大生だった頃の古い知識しか持ち合わせていないかもしれないので、受診する医療機関は選んだ方がいい。(参考:日本頭痛学会認定医)
3 頭痛の種類と群発頭痛
国際頭痛学会の分類では、頭痛を
・一次性頭痛
・二次性頭痛
・頭部神経痛等その他の頭痛
に分類している。
(慢性頭痛の診断ガイドライン2013)
群発頭痛は、偏頭痛や緊張型頭痛と共に一次性頭痛に分類されている。二次性頭痛は、副鼻腔炎、虫歯や親知らずなど頭痛の原因が何らかの疾患により発生する頭痛で、時として脳出血や硬膜下血腫など命にかかわるものもある。
一次性頭痛は症状が重いと、痛みからのた打ち回ったり痛みを麻痺させるために頭を床や壁に打ち付けたくなるほど激しい頭痛に見舞われることもある。
痛みの強さだけで一次性頭痛と二次性頭痛を判断することは難しいが、決定的な違いは痛みの継続時間があげられる。一次性頭痛は時間の経過により痛みは治まるが、二次性頭痛は頭痛の原因となる疾患が改善しない限り痛みが継続する。(前述した大学病院で痛みも炎症も起こしていない親知らずを3本も抜く必要はなかった理由はここにある。)
ある日突然発症する一次性頭痛の群発頭痛に現れる症状の中には、激しい頭痛や眼球の痛みの他に、視野狭窄や嘔吐(吐き気)や手の痺れなど二次性頭痛の中で重症度の高い脳疾患の症状に類似する場合がある。
脳疾患はCTやMRIの検査で判別可能であるため、初めて激しい頭痛に見舞われた場合は遅滞なく医療機関で受診した方がいい。数時間の治療の遅れが命や後遺症に係ってくることもある。
群発頭痛と同じ一次性頭痛に分類される緊張型頭痛と片頭痛の国際頭痛学会の診断基準を見ると、かなり症状に共通する部分があることがわかる。
実際に群発期中に発生する頭痛でも前兆現象を伴わない緊張型頭痛のような頭痛が起こったり、頭痛はないが群発頭痛の症状に併せて起こる激しい眼・首・肩の痛みだけの群発期が入り混じったりする。
これら典型的な群発頭痛の症状に合致しない頭痛でも、群発頭痛の薬しか痛みを緩和することができない(緊張型頭痛や片頭痛の薬では全く効かない)から、群発頭痛の一種だと判断している。
長年、慢性群発頭痛に付き合ってきた僕の個人的な感想だが、一義的に群発頭痛、緊張型頭痛、片頭痛を線引きすることはできないと思う。
4 群発頭痛・緊張型頭痛・片頭痛の薬と予防薬
緊張型頭痛や片頭痛には市販薬やロキソニンやロブなどの鎮痛剤で痛みを緩和できる場合がほとんどだが、群発頭痛はこれら市販薬や鎮痛剤は全く効果がなく、スマトリプタン(イミグラン)、ゾルミトリプタン(ゾーミック)、エレトリプタン(レルパックス)、リザトリプタン(マクサルト)といったトリプタン系処方薬が群発頭痛に効果がある。
薬に対する効果の個人差や他の服用薬との兼ね合いがあるので、トリプタン系の薬の中でどれが一番効き目が高いか選ぶことができないが、錠剤、点鼻薬、注射と処方方法に幅があるスマトリプタンのイミグランが処方されることが多い。
イミグランの錠剤、点鼻薬、注射に効果の違いはないが、薬が効き始めるまでの時間に違いあり、錠剤の場合は1時間程度、点鼻薬は30分程度、注射に至っては5分程度で群発頭痛の痛みを急激に緩和若しくは痛みを感じなくする。
服用から薬の効果が表れる時間はとても重要で、前述した通り群発頭痛は通常1時間から3時間程度続くので、薬が効き始めるまでの時間が長ければ長いほど痛みに耐えなければならなくなる。また、もともと激しい痛みを引き起こす群発頭痛だが、その痛みにも強弱があり、最強に痛い場合は錠剤では痛みを抑えることはできない。
僕の場合、群発頭痛の前兆現象から頭痛を感じるようになるまでの時間と痛みの強さには正の相関関係がある。また、1回の群発期の中でも痛みが「弱⇒強⇒弱」と変化していくので症状に合わせて錠剤、点鼻薬、注射を使い分けている。
群発頭痛の予防薬には、抗てんかん薬、Ca拮抗薬、β遮断薬、漢方薬といった服用薬や酸素投与などが効果があるとされている。
僕もいろいろ処方されたが、抗てんかん薬の「デパケン」を服用すると、痛みの強さは弱まるものの半日以上弱い痛みが続きイミグランの効きが悪くなった。Ca拮抗薬と漢方薬は全く効果なし。知り合いに医療従事者がいたので酸素ボンベを融通してもらい、前兆現象や痛みが生じている時に純酸素を30分間マスクで10リットル投与を何度も試したが群発頭痛の回数や痛みの強度に変化はなかった。
漢方薬や酸素投与は副作用の心配はないだろうが、抗てんかん薬やCa拮抗薬はできれば飲みたくない。まして、効果がないなら尚更。だから僕は予防薬の類は一切飲んでいない。症状が出たらイミグランという鎮痛剤を対処療法として服用しているだけである。
5 薬剤の使用過多による頭痛(薬物乱用頭痛)とイミグランの処方制限
長々と群発頭痛に関して書いてきたが、本題はここから。
元号が「平成」から「令和」に変わった年の8月から群発頭痛の痛みを抑える「イミグラン」が、月に20回分に制限されるようになった。
昔から「薬を服用し過ぎると薬の効き目が悪くなる」ことは言われていた。
しかし、頭痛の治療薬(市販薬、鎮痛薬、トリプタン、エルゴタミン製剤など)を過剰に使用すると薬の効きが悪くなるだけでなく頭痛の頻度が増えて連日のように頭痛を起こすようになるそうだ。トリプタン系の頭痛薬の場合は、月に10日以上服用していると「薬剤の使用過多による頭痛(薬物乱用頭痛)」に当てはまるらしい。
この「薬剤の使用過多による頭痛(薬物乱用頭痛)」の発症を防ぐために、イミグランを月に20回分しか処方しないようにするという主治医。
四十歳を過ぎてここ数年は、寛解期がほとんどない慢性群発頭痛から寛解期を数カ月挟む反復性群発頭痛に頻度は下がったものの、群発期中は1日2回~3回の群発頭痛が2~3ヶ月続くので月に60錠から80錠のイミグランを必要とする僕にとっては、月に20回分の処方制限は正に死活問題と言っていい。
「薬物乱用」という言葉が非合法の薬物の乱用を連想させるとして、不利益や誤解が生じる恐れがあることから、「薬物乱用頭痛」から「薬剤の使用過多による頭痛」に病名が変更されている。
でもね、僕はどうしても納得がいかない。
僕は薬を一切飲んでいなくても1日数回、2~3カ月間続く激しい頭痛が起こっていたから。薬剤の使用過多による頭痛(薬物乱用頭痛)の存在を否定はしないが、薬剤の使用過多だけが連日の頭痛を引き起こす訳ではない。発症して16年間、ただ痛みに耐えるしかなかったが、ようやく群発頭痛と診断名がついて9年間、イミグランという薬で群発頭痛の痛みをコントロールできていたのに「イミグランが頭痛を引き起こしている」という説明はおかしい。そもそも群発頭痛の症状を否定することになる。
「20回分のイミグランしか処方しない」と繰り返す主治医にこの矛盾を指摘したら、半ばキレぎみに「君は群発頭痛ではなく薬物乱用頭痛だ」と言い放った。
驚いた。
症状が改善しないから精神病と診断した大学病院の医者以来の衝撃。前の月まで群発頭痛として必要な数だけイミグランを処方してくれてたのに、月が変わったら突然の病名変更(笑)。
患者にとって「群発頭痛」だろうが、「薬物乱用頭痛」だろうが、「薬剤の使用過多による頭痛」だろうが、「悶えるほど頭が痛い病」だろうが病名など大したことではない。重要なのは症状が出なくなる薬、それがないなら痛みを抑える薬が欲しいだけだ。
それ以上でも以下でもない。
少なくとも突然イミグランの処方数を制限するなら、薬を使わなくても頭痛をコントロールする方法を示して欲しい。
しかし、そのような説明もなくイミグランは20回分しか処方してくれないので、何か対処方法がないか薬剤師相談すると
・数年前から関東方面でレセプト(医療機関が保険証を交付している保険者に請求する診療報酬明細書)の内容を審査する医者からイミグランの処方数に対してクレームがつくようになり、メーカー側が自主規制的に個数制限するよう診療医に助言しているとの噂があった。その流れがこの地方に広まって来たのかもしれない。
・国からの通知や保険組合の指導で禁止されている訳ではなくレセプトの問題であるため、主治医がレセプトにコメントを書けば問題なくレセプトは通るはず。
と教えてくれた。
コメントとは、イミグランを月20回分以上処方しなければならない理由をレセプトに明示することらしい。とにかく主治医にお願いするしかないとのことだった。
後日、主治医にコメントを書いてイミグランを処方して欲しいとお願いすると書いてくれることにはなったのだが、コメントを書くためにイミグランの注射キッド1個(注射2回分)と錠剤18錠という意味不明な処方になった。
なぜ意味不明かと言うと、以前は群発頭痛の痛みが強く錠剤や点鼻薬では抑えきれなかったので注射も使用していたが、四十歳を超えてからは点鼻薬と錠剤で痛みを抑えれるようになっているのでこの数年間は一度も注射キッドを処方してもらっていない。
そもそも、薬剤の使用過多による頭痛(薬物乱用頭痛)にならないように痛みに合わせて薬を使い分けるように指導をしていた主治医が、突然病名を「薬剤の使用過多による頭痛(薬物乱用頭痛)」に変えた途端、注射キッドを処方する謎???
注射キッドは保険適用で2,000円するので、錠剤20錠だけの場合と比べて薬代が倍になる。
しかも、群発頭痛の発生回数に合わせてコメントを2回3回と書いてくれる雰囲気ではなかったし、書いてくれたとしても使わないイミグランの注射が増えて薬も医療費も無駄になるのでイミグランを個人輸入する方法を探すことにした。
6 イミグランを個人輸入する場合の問題点
薬を個人輸入する場合、海外に発送してくれる伝手がなければ輸入代行業者に依頼することになるが、2つの意味で「大丈夫?」という不安が生まれる。
1つ目は、法律的な問題。
日本は薬事法(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律)により、品質、有効性及び安全性について科学的なデータ等に基づいて確認がなされた製品だけが流通するように規制されている。しかし、外国で受けた薬物治療を継続する必要がある場合や、海外からの旅行者が常備薬として携行する場合などへの配慮から一般の個人が医薬品の輸入すること自体禁止されていない。
個人で薬を輸入するには、原則として地方厚生局(厚生労働省の地方支分部局)に必要書類を提出し、薬事法に違反する輸入でないことの証明を受ける必要があるが、一定の範囲内(個人輸入可能な医薬品等の数量について)であれば、特例的に「税関限りの確認」で通関することができるとされている。ちなみに、重大な健康被害の起きるおそれがある医薬品は、数量に関係がなく医師の処方箋がない限り輸入はできない。
すなわち、コハク酸スマトリプタンのイミグランは重大な健康被害の起きるおそれがある医薬品には該当せず、規定数量以内で輸入した薬を自分で使用する限り法律に反しない。
2つ目は、医薬品の安全性に関する問題。
重大な健康被害の起きるおそれがある医薬品を見ると圧倒的に中国の薬が多い。また、薬の名前からダイエットや精力増強剤に関するものが圧倒的である。それだけダイエットや精力増強剤は需要が高いのであろう。
イミグランは頭痛薬なのでダイエットや精力増強剤のように購入層が厚い訳でもないので、密造された薬の可能性は低いと思われるが、箱に書いてある製造元も所詮印刷でいくらでも偽造できるし、工場の製造工程も日本国内の医薬品メーカーのように衛生管理がしっかりしているか確認する術がない。
現実問題として料金だけ払い込ませて商品が送られてこない詐欺的事例だけでなく、ダイエット関連のサプリメントや精力増強剤などでは粗悪な品質の物も多く出回っているようで健康被害が発生している事例もあるようだ。(参考:政府広告オンライン)
保険証を使って医療機関から正規の薬を処方してもらうのが一番安全なのはわかっているが、処方してくれなくなったから困っている訳で・・・。一次性頭痛の群発頭痛や緊張型頭痛や片頭痛は命にかかわることはないが、仕事や日常生活に支障がでるほどの痛みを引き起こす。
リスク承知の上で薬の個人輸入代行業者に依頼してイミグランを購入することにした。
7 僕が選んだ個人輸入代行業者
ネットで買い物をする時と同様にお金だけ振り込ませて商品を手配しない詐欺的業者を選ぶことは避けたい。
文法上おかしなレビューがないか、商品注文から発送までの段取り不自然な点はないか、クレジットカード決済ができるか(クレジットカード会社の審査があるため)などを基準にリピーターが多く存在するサイトを探した。
見つけたのが
「おかげさまで23周年 安心信頼の個人輸入代行 オオサカ堂」
オオサカ堂について更に調べるとLegit ScriptというNGOの記事を見つけた。(日本をターゲットにする不正オンライン薬局ネットワーク)
取り扱っている医薬品の品質はさておき、少なくともお金だけ振り込ませて商品を手配しない詐欺的業者ではないことは確かなようだ。もともとリスク承知の上で個人輸入するのだから薬の真贋はまずは買ってから確かめることにすればいい。
オオサカ堂のサイト内でイミグランを検索してみると
イミグラン(Imigran)50mg(1箱2錠)約1,500円
GlaxoSmithKline製
(1回あたり約750円
処方箋薬の場合、保健3割負担で1錠約100円)
イミグラン(Imigran)20mg 点鼻薬(1箱2本) 約2,400円
GlaxoSmithKline製
(1本あたり約1,200円
処方箋薬の場合、保健3割負担で1本約300円)
代行手数料と送料が含まれた金額なので価格が高くなってしまうようだ。
この金額では必要な数だけ輸入しようとすると3~4万円となり財布が厳しい。
イミグランのジェネリックに切り替えて探すと
スミナット(Suminat)50mg(1箱5錠) 約2,500円
Sun Pharma製(インド)
(1回あたり約500円)
スミトップ(Sumitop)50mg(1箱30錠) 約4,700円
Healing Pharma製(インド)
(1回あたり約150円)
スミトップ(Sumitop)100mg(1箱30錠) 約6,000円
Healing Pharma製(インド)
日本で承認されているイミグランは50mgのみ。この薬は100mgなので半分に割って服用すると1回あたり約100円)
医者から処方されている薬が
ゾーミック(ゾルミストナザルスプレー(日本は点鼻薬は未承認))
レルパックス(レルパックス40mg)
マクサルト(リザトップ10mg、マクスタン5mg、マクスタン10mg)
の場合にも対応する薬がある。
日本で承認されているイミグランは50mgなので、スミトップ100mgはスマトリプタンの量が倍になる。この薬を半分に割って1錠で2回分にすればイミグラン50mgと同じ成分量を服用することになる。
1箱に30錠入っているので実質60回分に相当することになり、スミトップ50mgを2箱購入するのと同じことになることから、1回服用するコストは約100円となりイミグランを処方してもらうのと同程度の費用負担で済むので
スミトップ(Sumitop)100mg(1箱30錠) 6,111円
Healing Pharma製(インド)
日本で承認されているイミグランは50mgのみ。この薬は100mgなので半分に割って服用すると1回あたり約100円)
を購入した。
ちなみに薬を半分にするならピルカッターを使用した方がいい。包丁やカッターナイフでは上手に切れない。
会員登録しなくても購入手続きを進めることができるが、継続して購入することを考えると会員登録しておいた方が便利。
ちなみに、オオサカ堂の販売ページを見るとクレジットカード決済もできることになっているが、現在は現金振込みだけである。理由は恐らくこの記事の内容からクレジットカード会社が契約を打ち切ったと推測する。
価格はその日の為替レートにより変動するが、レートが1円動いたところで50円程度なので気にする必要(手持ちの薬を切らさないようにする方が重要)はないと思う。振り込みは国内銀行口座に日本円で振り込むので心配ないが手数料は購入者持ちである。
振り込み指定銀行は、三菱UFJ銀行、楽天銀行、りそな銀行、みずほ銀行の4行から選ぶことができるので、振り込み手数料が不要になるように事前に口座を準備しておくといい。
商品を注文すると「注文控え」が登録したメールアドレスに届くので、スミトップの50mgと100mgのなどオーダーに間違いがないか今一度申し込んだ内容に誤りがないか確認するようにしたい。
注文から2日以内に正式な受注確認書がメールで送られてくる。このメールに振り込み先口座が書かれているので期日までに送金処理をすれば注文は完了である。(期日を過ぎると注文は自動キャンセル扱いになる。くれぐれも手持ちの薬がなくならないように注意したい。)
下の写真の通り小さなダンポールに梱包されて、10日から14日で登録した住所に届く(国際書留郵便の場合、マイページで発送状態を追跡可能)。
一番気になる薬の効きは、病院で処方されるイミグランと変わらず、服用後30分から1時間程度で群発頭痛の痛みを完全に消し去ってくれる。既に2箱分のスミトップ100mgを服用したが身体に異常は感じない。
四十歳を過ぎた頃から群発頭痛の症状が軽くなっており、錠剤で痛みをコントロールできているが、以前のように点鼻薬や注射でしか痛みをコントロールできない状況に戻るかもしれない。その場合に備えて月に20回分の処方は、群発頭痛の症状が悪化した時のためにいつでも点鼻薬が調達できるようにしておきたい。
それに仕事を半日休んで病院に行き、2~3時間待って診察は3分。その手間を考えると個人輸入した方がメリットが大きいのでイミグランのジェネリックとしてスミトップ100mgに切り替えることにした。
8 群発頭痛・緊張型頭痛・片頭痛で絶対にやってはいけないこと
一次性頭痛はまだ原因が分かっていない部分が多く、根本的な治療薬が存在しないので上手に付き合っていくしかない。頭痛には前兆現象があるタイプとないタイプがある。また症状が現れる時間帯やあることをすると発症するなど規則性がある場合もある。
これらの前兆現象や規則性と頭痛を感じる部分や強さなどを細かくメモして自分の症状を把握することにより、頭痛を誘発する行動を避けることができるし、最適なタイミングで薬を服用することができるようになる。
まずは自分の症状を知ること。
それに対して、絶対にやってはいけないことは、「何で自分がこんな痛い思いをしなければならないのか」と考えること。連日、激しい頭痛に見舞われると気持ちが滅入って塞ぎ込んでしまう。僕自身もそうだった。
でも、どんなに考えても、どんなに塞ぎ込んでも一度発症したものは安定してやって来る。考えるだけ無駄だ! そして、単に無駄なだけでなく、考え込むほど心が脆く壊れていく。鬱になり易くなるのだ。
僕は頭痛が原因で鬱になることは絶対に避けなければならないと思う。
一次性頭痛は、二次性頭痛や他の病気とは異なり、頭痛が起こっていない時は全くもって平穏に過ごすことができる。痛みが現れていない平穏な時に、できる限り気分転換して気持ちを切り替え、次の頭痛に備えることが一次性頭痛と上手く付き合っていくコツだ。
僕はイミグランを飲み始めるまでの16年間、ただ痛みに耐えながらも気持ちを切り替えて群発頭痛を乗り切ってきた。そしてイミグランを飲み始めてからは症状に合わせて錠剤、点鼻薬、注射を使い分けて薬の量と痛みをコントロールしてきた。
残念なことに一次性頭痛の痛みを抑える薬であるイミグランが、月に20回分という制限をされて頭痛と上手に付き合っていくことができなくなる状況が発生するようになってきている。
海外から個人輸入することにしたイミグランのジェネリックより国内メーカーが製造する先発薬や後発薬の方が安心であることは間違いない。個人輸入するのは最終手段にして、できる限り主治医にコメントを書いてもらって日本国内で製造されたイミグランを服用した方がいいと思う。
まだ月に20回分の制限を受けていない人も将来的に制限を受けることになるかもしれない。「薬剤の使用過多による頭痛(薬物乱用頭痛)」を否定するつもりはないが、薬を飲まなくても毎日数回激しい頭痛を起こす症状になる場合もあるので、症状に合う量のイミグランが処方されず仕事や日常生活に支障をきたすようならば、この記事を思い出して参考にしてほしい。
約2ヶ月間の寛解期を経て、年末から新たな群発期に入り手持ちの薬が少なくなってきたので3回目の個人輸入をするにあたり、僕と同じ処方制限されて困っている人がいるのでは? と思い記事にまとめました。
頭痛に悩まされているのは自分だけでない。気持ちを共有して心の健康を崩さないように一次性頭痛と上手に付き合っていきましょうね。
この記事があなたのお役に立てたら幸いです。
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